音色のある部屋

音楽・ギター好きのブログです。

なんとも言えない感情

 この前のお休みの日のこと。もう少ししたら家族で買い物に行こうと、ぼけーーっとしていたら、ピンポーンとドアチャイム。我が家はネットで買う物も多いので宅急便だろうとかみさんに任せていたら、血相変えて私の方に飛んで来て「〇〇さん!」「〇〇さんがいる!」と。

 〇〇さん、私の前職の患者さんです。「えーーー、っちょっと待ってちょっと待って」と一応身なりを確認し玄関まで行ってみると、壁にもたれかかっている〇〇さん。この日は「本当に10月か?秋はどこに行った?」という程暑い日で、さらに〇〇さんは足の痛みが強いお方、そして超高齢です。まずはかみさんにお茶を出してもらい水分補給。先に外に飛び出して行った息子は、すでにその辺に落ちていて拾った草を〇〇さんにあげてました苦笑…

 なぜここまで来たのか尋ねると、私の開業した場所はどこかと?それが知りたくて訊きに来たとのこと。ここ最近、周辺を歩いて探していたが見付からなかったと…

 とりあえず説明するも、うまく理解が出来てなかったら困るし、帰りはどうするの?って感じだったので、車でお連れして説明することに。「ボクも行くー!」と以前〇〇さんから頂いた熊のぬいぐるみを抱いた息子が、〇〇さんの横にちょこんと座り、いざ出発。経路等を説明し、広告と名刺を渡し自宅近くのスーパーまでお送りしました。〇〇さんは始終「すみません、すみません、ご迷惑掛けてすみませんと」と平謝りで去って行きました。

 

 なんとも言えない感情です…もちろん感謝いっぱい。「すみません」なんてとんでもない。

 人生の大先輩が、いなくなった自分を探しに来てくれる…なんという「有難い」

 帰りのことなんか考えず必死になってここまで歩いて来たんだろうなと。それまでも商店街に私の職場があると思っていたようなので、痛い足を我慢して歩き回って探していたのだろうなと。その日は何度も何度もそのことを考えていました。

 最近は少し「自分はこの道を選択して本当に良かったのかな…」と夜中に目が覚め、そこから寝れない日々が続いていたので、そんな弱気な自分に喝を入れてくれたよう。どうなるにしても全てを味わい、どうせなら楽しめ!と自分に言い聞かせました。移動の問題等あるため、今後私が〇〇さんに関わるかは別として、超高齢者に勇気を頂いた素敵な日、ありがたい日、何かしらの形で報いなければ。